注意

 

 

 

ジャキリです。

「拘束衣でソフトSM」

というテーマで書いています。

スカトロ表現あります。

そういうものが苦手な方、18歳未満の方はご覧にならないでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拘束衣

 

 

何故こんな拘束衣を許してしまったのか。

俺は何度目になるかわからない後悔をしていた。

体の拘束感もいやだが、何より目が見えないのが怖い。

あいつの言葉がどんな顔でされているのか、全然想像できない。

次に何をされるのか、どこを切られるのか。

沈黙の時間、1分くらいのものかもしれないが、10分にも1時間にも感じられる。

せめて脈でも計りたいのに、手先は拘束衣の中で丹念に包帯を巻かれてしまっていて、中で何かを触ることもできない。

 

「おい?」

不意に声がして、反応しなければ、せめて顔をそちらに向けなくては、と思っても体が硬直したように動かない。

反応のなさにじれたのか、又どこか切られたような気がする。

多分ひざの辺り。

そこら辺の空気が動いたような気がした。

でも定かではない。

体には何も痛みがないから。

この部屋は温かくて、冷気が肌を刺すこともないから。

 

何もわからない。

 

せめて何か感触が欲しくて体をよじると

「動くと変なところまで切れるぞ」

という言葉と共に、何か小さくて冷たいものが肋骨に当たる。

ずいぶん前、切られたような気がした所。

そのまま極軽くなでられる。

その後を何か柔らかくて塗れた物がじっとりと這っていった。

もしかして、極浅く切られたのだろうか。

 

わからない。

体の感覚が、俺から遊離してしまっている。

 

切るまねなのか、それとも本当に切られているのか。

 

どんどんわからなくなっていく。

 

上半身を起こした、変な姿勢がつらい。

でも横になって腹を伸ばすのも怖い。

それに

「後ろに倒れるなよ」

と言われている。

何かがあるのか。

それともそっちにはもうベッドがないのか。

本当は10センチ後ろに壁があるかもしれないのに。

 

腹筋がつらくて体が震えてきた。

我慢できなくなり

「横になりたい」

と言うと

「じゃあ、口を開けて舌を出して」

と催促される。

おとなしく出したら舌を軽く押さえられ、中心あたりに尖った感触。

「ここに穴を開けてピアスでもしないか」

と揶揄されつい舌を引っ込めようとしたら爪を立てられる。

「いやならこれを飲めよ」

と舌の上に何か乗せられ、指が離れた。

 

錠剤?

なんの?

と思う間に、口移しに何か、強い酒を流し込まれた。

体が熱くなるが、これは酒のせいか。

それともさっきの薬。

あれはなんだったんだ。

 

又混乱。

体が大きくぶれたが背中に多分奴の腕が回り、それに寄りかかることができた。

やっと寄りかかりが出来て安心し、力を抜いたら、いつの間に切られていたのか局部に近い内腿を触られた。

 

だめだ。

一瞬気を許すたびに深みにはまっていく。

 

体を硬直させた途端腿の手は離れ、そっとベッドに横たえられた。

とにかくこれでもう背中は切られない、と思うと同時に足の付け根から足元まで縦に切られた。

中で足首を拘束していた布も切られ、やっとおふざけが終わったか、とほっとしたのに、今度は両足を何かに載せられ、ベルトのようなものに固定された。

 

何だ、とつい声に出してしまったのか

「これ、内診台だよ」

と教えられた。

「最新式で、電動で姿勢が変わるんだ。ほら」

と言うのと同時に軽いモーター音と共に上半身が少し起こされ、いやおうなく足が開いていく。

「医者は前に座っているだけで目の前に来るようになっている。便利だろ」

と言う声が足元からする。

 

浣腸をされた。

「トイレに行かせろ」

と言うのに、

「下にバケツを置いてあるから、そのまましていいぞ。」

と返される。

「ここではいやだ」

と言っても

「医療行為の一種だと思えばいいだろ」

と取り合ってくれない。

医者同士なんだから、と思ってもそんなこと思い切ることはできない。

 

だがとうとう我慢できずに失禁のようにしてしまった。

何か器具を入れられて拡張される感じがあり

「痛くないよな」

と言われたが、痛みなんて感じられる余裕がない。

もう何も感じたくない。

「折角綺麗に掃除したから、ついでに内視鏡でも入れてやろうか」

というのは冗談なのか、本気なのか。

反応できない。

体がしびれたように、心がしびれたようになり、いっそこのまま夢の中に入ってしまいたいと思う。

 

気付けば器具は抜かれ、足元に気配が無い。

「足、このまま出産もできるように、もっと広げることもできるんだ」

不意に耳元でささやかれ、疲労困憊していた俺は意識せず嗚咽をもらしていた。

 

 

「震えてるな。怖いのか」

と聞かれ、

「せめて目隠しをはずしてくれ」

と頼む。

自律神経がいかれてしまって、体がぐるぐる回り続けているような、果てしなくどこまでも落ち続けているような、異様な感覚がぬぐえない。

なのに

「だめだ」

と拒否される。

「お前、いつも反応をこらえるし、目を隠すじゃないか。だから最初から隠してやっているんだ。お前の泣き顔を見られたから怖いことはもうしない。だから今度はいいところを教えてくれよ」

と、そっと中心近くをなでられる。

腹や腿に軽く爪を立てられ、筋肉に沿って這わされる。

中心に触られ、すぐ離れていく手。

さっきまでの強引な仕打ちがうそのようで、冷たく縮こまっていた体が緩んでいく。

多分頭が恐怖から逃れようとしているのだろう、俺のものとは思えない、浅ましい体。

なのに急に手が離れ、肩に乗っていた奴の頭の感触も去っていく。

そのまま足元で音がして

「先にバケツを処理してくるから」

という声を残して部屋から出てしまった。

 

静寂のみ。

すぐに戻ると思ったのに、奴は全然帰ってこない。

まさかこのまま置いていかれたんじゃ。

そんな事あるはずがない、と思おうとしてもどんどん恐慌状態に陥っていく。

何も見えない、何も聞こえない。動けない。

 

逃げなければ、と急に思い当たり、立ち上がろうとしてもんどり落ちそうになった。

足は固定されているのだ。

それでももがいて何とか前傾姿勢になったが、どうしても足が抜けない。

すね辺りに巻いてあるベルトに噛み付いているうちにドアが開いて

「何してるんだ」

と声をかけられ、もとの姿勢に戻された。

 

すぐに手が離れ

「逃げようとでもしていたのか」

と詰問口調で問われる。

手を離さないで欲しい。

声を出したいのに、のどが詰まって出ない。

釈明したい。

でもこいつはもう聞く耳持たないだろう。

絶望感に体の先からどんどん冷たくなっていく。

 

ふう、とため息が聞こえて

「動くなよ」

という声と共に上半身の服が切られた。

足のベルトも解かれる。

最後に目隠しがはずされた。

 

そこはただのいつもの診療室だった。

蛍光灯の光がまぶしい。

硬直したまま動けない俺を見やりつつ

「悪かった。おふざけが過ぎたよ」

というあいつの顔。

「そんなに嫌がっていると思わなかった。今日は帰るか?」

と問われても頭が追いつかない。

 

「手をよこせ」

と俺の手を取って包帯を丁寧に解いていく。

最後に俺の背中に手を回して拘束衣の残骸から引きずり起こされ、やっとまともに息ができるようになり、俺は奴に倒れこんだ。

初めて自分から背中にしがみつき、体を支える。

 

やっと触れた。

 

安堵感にめまいがして崩れ落ちそうになったが、俺より小さいはずの体が受け止めてくれ、そのまま普通の診察台に誘導された。

そのまま離れていくのが耐えられなくて、背中の手をはずさないまま後ろへ倒れこむ。

上に乗り上げておたおたしている奴の鼓動が早くなっているのがわかる。

 

多分あの拘束衣の後遺症だ。

そう思うのだが、今は何をされてもいいから誰かがいないと耐えられない。

 

それから図に乗った奴に、普段は絶対に拒否するようなことを延々とされ続けた。

いつもは絶対出さない声を上げて許しを請うても、もう無駄だった。

それでも意識をなくすまで、一瞬でも奴が離れるのに耐えられなかった。

 

 

 

夏ごろ書いたのですが、2、3人に見せただけでずっと放置していました。

今回リクエストがないかと思って体裁を整えたので、出すことにしました。

何故キリコが拘束衣を承諾したか。

じゃんけんに負けたか誕生日に「プレゼントに1日言うことを聞いてくれ」と無理やり承諾させられたか。

そんな極些細な理由のはずです。

 

 

 

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