残念ながら、俺はうまくできなかった。

いざするとなると緊張してしまって、奴を気持ちよくするどころか絶対流血間違いない感じだった。

オペの時はあんなによく動いてくれる俺の手が、がちがちで。

もたもたしている俺を見かねたのか

「つまりはこうやるんだろ」

と俺の方がほぐされてしまい、ぐたぐたになったところで乗られてしまった。

 

でも。

俺は難しいオペを成功させた時が一番の快感だとずっと思ってきたが、こういうのもいい。

刹那的な快感ではあるけれど。

 

翌朝、ケチャップまみれの服をランドリー袋に入れたらキリコのシャツがなくなってしまい、俺のを貸したらつんつるてんだったのがショックだった。

腰をかばいながらソファのケチャップを拭くのはいっそう情けなかった。

だが、いつかシャツを返さないと、と思うのは少し楽しかった。